| ■アロマテラピーと精油の化学のワークショップを開催
西洋のアロマテラピーの歴史は紀元三千年前にさかのぼり、中世には僧院医学として広まり、
19世紀から精神医学治療で再び注目をあびました。
日本に精油が輸入されたのは江戸時代と言われますが、現在のアロマテラピーが入ってきたのは最近のことです。
日本や米国ではアロマテラピー Aromatherapy そのものは法律上の定義はありません。
日本には国会答弁の記録が残っているだけです。アロマテラピーの発音から何語なのかわかりません。フランス語の発音ではないのです。
薬事法ではアロマテラピー精油に近いものとして化粧品と医薬品がありますが、現実には雑貨品として流通しています。
アロマテラピーは必ず天然の精油を使うのが特徴です。そのため、アロマテラピーの中心位置に精油の化学 Aromachemistry があります。
ここで、Aroma-chemistry, -therapy は造語で語源的な意味はありませんが、なぜか広がっています。
アロマテラピーは西洋医学の範疇に入らず、社会的には厳しい位置にいるわけです。
アロマテラピーは西洋医学が誕生する前から存在していた民間医療なので面白いところがあります。
アロマコロジー Aromacology は心理学的手法で、アロマテラピーのような医療行為的な意味が薄くなり、
恒常性 ホメオスタシスを求めて嗅覚刺激で健康を保つ方法で注目されています。
これは、必ずしも天然100%の精油を用いないのでアロマテラピーとは大きく異なる手法なのです。
しかし現代の臨床医学では、精油を用いた嗅覚刺激は医療的にも有効な方法として認められるようになりました。
アロマテラピーは精油を使って施術をすることを特徴としています。しかし、精油は安全なものではありません。
精油は多くの化学成分の混合物ですが、それらが相乗的に作用します。
まず、精油の化学成分を明らかにして、個々の化学成分の薬理効果を知る必要があるのです。
それで、アロマテラピストは用心深く、精油の化学的性質を熟知した上で、クライエントに適用するのです。
精油にアレルギー発現物質であるアレルゲンが含まれているときは、クライエントのアレルギー過敏性を気にかける必要があります。
そのため、アロマテラピーでは精油の化学が中心になるのです。
外国のサプライヤーから輸入する精油の日本での税関通過においては、主に雑貨品としての申告で輸入されているのが現状です。
フランスでは医薬品扱いなので日本には食品添加物あるいは香料としての輸入になっています。
日本では医薬品として承認されていない化学物質は医薬品としては輸入できないのです。
精油の輸入では、輸入業者個々の都合により輸入関税申告をしています。
化粧品配合に使用する目的では香料として輸入されます。香料名目で輸入されていないと化粧品に配合できないようだ。
化粧品配合に使われるときは医薬品同様の厳密な品質管理が求められる。たとえば、残留溶媒はチェックされる。
しかし、精油は生体に吸収されるように使用されているので、本来は医薬品としての扱いになるはずです。
現状では食品添加物の扱いでは人体に塗布したりすることはできません。
現実に、オリーブの食用油を体に塗る人はいません。
通常のアロマテラピーでは、芳香浴でものどの粘膜から吸収され、
トリートメントでは植物油に希釈した精油は、粘膜吸収、皮膚吸収などから体内血液循環に入ります。
血液循環に入り血液脳関門を通過すると脳にも達します。
雑貨品として輸入された精油を皮膚に塗布することでクライエントに健康被害は起こらないと証明できるのか。
精油の品質管理、残留溶媒や不純物の除去、発癌物質の懸念、光毒性物質やアレルゲンの除去など、
ヒトに適用される前に、精油の安全性について考える必要があります。
天然物の精油にも製造時点の残留溶媒が残存していれば有害事象の原因になりえます。
有機溶剤抽出法で製造されている精油では既に問題化しています。それで水蒸気蒸留法が見直されています。
植物性なので皮膚アレルギー症状もみられるのでパッチテストも使用前に行う必要があります。
トリートメントの前に、使用する精油のパッチテストを行うことになっている。
しかし医師の資格のないものがパッチテスの適切な判断ができるでしょうか。パッチテストは医療行為と考えられています。
クライエントの体質のアレルギー性を判断するので、診断行為と取られてしまうようです。
精油は雑貨品なので薬事法で定義もされずまったく規制されていないように見えますが、
場合によっては化粧品や医薬品としてみなされることがあります。
医療機関で行われるアロマテラピーも薬事法で規制されます。
アロマセラピーと名乗っても法律適用は同じことで医療従事者だから特別扱いはされません。
医薬品等適正広告基準の解釈では精油は医薬品的効果・効能を標榜して広告してはならないとされています。
しかし、これではアロマテラピーは成り立ちません。
このようにアロマテラピーは数多くの問題を含んでいます。しかし、アロマテラピーの手法は現実に存在しています。
少しずつ解決することにしましょう。
アロマテラピーと薬事法については、特別なテーマでも毎月セミナーを実施しています。
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